蓄電池の容量(kWh)は、夜に使う電気と太陽光の余剰電力が目安です。家族構成別・太陽光kW別の選び方と、東京都の助成額(1kWhあたり10万円・DR不参加時の上限120万円)の早見表を施工会社が解説します。
監修:SANZEN 編集部
この記事の目次
【結論】蓄電池の容量は「夜に使う電気」と「太陽光の余り」で決める
- 容量の目安は、夜に使う電気の量です。
- 戸建ての試算では、2人世帯で1日約6kWh、4人世帯で約9kWhを夜に使う計算になります。
- 太陽光のkW数は、ためられる電気の量を考える目安です。
- 4kWの太陽光なら、1日の余り電力は年平均で約9kWhという試算になります。
- 東京都の助成は、1kWhあたり10万円・上限120万円です。
- 12kWhまでは容量に比例して増えますが、それを超えても増えません(DR実証に参加しない場合)。
蓄電池の「容量」とは?しくみを3分で理解
kWhとkWの違い
蓄電池のカタログには、kWhとkWの2つの数字が並びます。
・kWh(キロワットアワー)は、電気をためられる量のことです。
・kW(キロワット)は、一度に取り出せる電気の力の大きさです。
水にたとえると、kWhはタンクの大きさ、kWは蛇口の太さです。
容量選びで主に見るのはkWhですが、エアコンや電子レンジを同時に使いたい場合はkWも確認します。

「カタログの容量」と「実際に使える容量」は違う
蓄電池は、電池を傷めないように、ためた電気をすべては使い切らない設計になっています。
そのため、実際に使える量はカタログの容量(定格容量)より少なくなります。
比べるときは、メーカー仕様書の「実効容量」や「使える量」の欄を確認しましょう。
見積りでどちらの数字が書かれているかも、あわせて確認すると安心です。
停電時に使える範囲は2種類
停電したとき、家全体に電気を送れるタイプを「全負荷型」といいます。
冷蔵庫や照明など、決めた回路だけに送るタイプは「特定負荷型」です。
全負荷型は停電中も普段に近い生活ができますが、電気を多く使うぶん、容量の余裕が必要です。
停電対策を重視する方ほど、容量は大きめに考えます。
SANZENでは、現地調査で分電盤や使い方を確認し、どちらのタイプが合うかを一緒に考えます。
【家族構成別】蓄電池の容量の目安
世帯人数別の電気使用量(戸建て・試算)
環境省の統計によると、戸建て住宅の電気の使用量は、平均で年間約4,900kWhです。
世帯人数別の電気由来CO2排出量を参考に試算すると、下の表になります。

※試算の前提:環境省「令和5年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査(確報値)」の戸建て住宅の電気消費量(17.7GJ=約4,917kWh/年)に、同調査の戸建て住宅における世帯人数別の電気由来CO2排出量の比率をかけて算出。
オール電化かどうか、季節、在宅時間で大きく変わります。「夜に使う量」は1日の半分と仮定した目安です。
「夜に使う量」から容量を考える
太陽光がある家では、昼は太陽光の電気を使い、夜に蓄電池の電気を使うのが基本です。
そのため、容量の目安は「夕方から翌朝までに使う電気の量」になります。
上の試算をもとにすると、目安は次のとおりです。
- 1〜2人世帯:5〜7kWh前後
- 3〜4人世帯:7〜10kWh前後
- 5人以上・オール電化:10〜13kWh前後
共働きで昼間に家を空ける家庭は、太陽光で発電した電気が余りやすく、蓄電池にためて夜に活用できます。
一方、日中在宅が多い家庭は、発電した電気を昼間に直接使いやすい反面、蓄電池にためられる余剰電力が少なくなる場合があります。
蓄電池の容量は、夜の使用量と昼の余剰電力をもとに選ぶことが大切です。
自宅の使用量を確認する方法
一番確かなのは、ご自宅の実際の数字を見ることです。電力会社の検針票やWeb明細で、月ごとの使用量(kWh)を確認しましょう。
時間帯別の料金プランなら、昼と夜の使用量が分かれて表示されている場合があります。Web明細では、30分ごとの使用量を見られる電力会社もあります。直近1年分を手元に用意すると、見積り時の提案の精度が上がります。
SANZENでは、検針票をもとにご家庭の使い方に合わせた容量をご提案しています。
【太陽光のkW別】蓄電池の容量の目安
昼の「余った電気」をためるという考え方
蓄電池にためられるのは、太陽光で発電して、昼に使い切れずに余った電気です。どれだけ大きな蓄電池を入れても、余った電気が少なければ満タンにはなりません。
つまり、容量選びでは太陽光のkW数も重要です。「夜に使う量」と「昼の余り」を比べ、停電時の備えも考慮するのが、むだのない選び方です。
太陽光kW別の目安表
国が買取価格を決めるときに使っている想定では、住宅用太陽光の設備利用率は13.7%です。
※設備利用率:設備が持つ最大の力(定格出力)に対して、実際にどれくらい電気や成果を生み出したかを示す割合です
これをもとに試算すると、1kWあたり1日平均約3.3kWh(年間約1,200kWh)の発電になります。

※1日の余りの計算:3kwの太陽光発電の容量の場合
→ 3kWの太陽光発電を設置した家庭が、1日に約9.9kWh発電し、そのうち70%にあたる約6.9kWhが余ると仮定しています。
※試算の前提:設備利用率13.7%・余剰売電比率70%は国の想定値です。
数値は年間平均で、実際の余剰電力は屋根の条件・天気・昼の使用量で変わります。
売電が安くなる5年目以降は「ためて使う」が有利
2026年度に国の認定を受ける住宅用太陽光(10kW未満)の買取価格は、1〜4年目が1kWhあたり24円、5〜10年目が8.3円です。5年目からは、売るより自分で使うほうが得になりやすい価格です。
電力会社から買う電気の単価は、プランや時期で変わります。ご自宅の明細で単価を確かめると、蓄電池で「ためて使う」効果をイメージしやすくなります。
太陽光の基本は太陽光発電のメリット・デメリットで、費用の目安は太陽光発電の設置費用はいくら?で解説しています。
【セルフチェック】あなたに合う容量は?30秒チェック
当てはまる項目が多いほど、容量は大きめが向いています。
- 家族が4人以上いる
- 共働きなどで、昼より夜に電気を使う
- オール電化、またはエコキュートを使っている
- 太陽光が5kW以上ある(または設置予定)
- 停電時も、家全体で電気を使いたい
- 将来、電気自動車(EV)を検討している
当てはまるのが0〜2個なら5〜7kWh前後、3〜4個なら7〜10kWh前後、5個以上なら10kWh以上がひとつの目安です。最終的には、屋根に載せられる太陽光の量と、ご予算で決まります。
※上記はあくまで一般的な目安です。実際に適した蓄電池の容量は、ご家庭の電力使用量や生活スタイル、太陽光の発電量、設置環境などによって異なります。
東京都の蓄電池の補助金額【容量別早見表】
助成のしくみ:1kWhあたり10万円、上限120万円
東京都は、令和8年度(2026年度)も「家庭における蓄電池導入促進事業」で、蓄電池の設置費用を助成しています。申請の窓口はクール・ネット東京です。
東京都の蓄電池補助金は、容量1kWhにつき10万円が支給されます。
例えば、5kWhなら50万円、10kWhなら100万円が補助される計算です。
ただし、DR実証に参加しない場合、補助金の上限は1戸あたり120万円となります。
また、補助金は蓄電池の購入・設置にかかった費用(税抜)が上限となります。
例えば、10kWhの蓄電池なら補助金は100万円ですが、設置費用が80万円の場合、補助金も最大80万円となります。
容量別の早見表

DR実証に参加しない場合の計算例です。実際の助成額は、税抜の対象経費が上限になります。国や区市町村の補助を受けた場合、その分は対象経費から差し引かれます。
DR実証に参加しない場合、12kWhを超えても助成上限は120万円です。大きな容量を選ぶ場合は、実際の費用と使い切れる量を確認しましょう。
DR実証に参加すると上乗せあり
DR(デマンドレスポンス)とは、電気が足りない時間帯などに、家庭の蓄電池を遠隔操作して、電力の需給バランスを調整する取り組みです。
東京都が登録した事業者の実証に参加すると、通常の補助金に10万〜15万円が上乗せされます。
ただし、参加すると事業者が蓄電池の充電・放電を遠隔で調整する場合があります。
また、原則として2か年度にわたり、年間10日以上の実証に協力する必要があります。
電気代や蓄電池の使い方に影響する可能性もあるため、補助金の金額だけでなく、実証の内容や契約条件を確認してから参加を判断しましょう。
蓄電池を増設する場合は1kWhあたり6万円
すでにある蓄電池に容量を足す「増設」も、助成の対象です。
増設は、蓄電容量1kWhあたり6万円、DR実証に参加しない場合の上限は72万円です。
増設の場合は、要件を満たす太陽光がすでに設置されている必要があります。
区市町村や国の補助との併用
お住まいの区市町村によっては、蓄電池に独自の補助金がある場合があります。条件や受付状況は区市町村ごとに違い、予算に達すると年度の途中で終わることもあります。
最新の情報は、クール・ネット東京の「区市町村の補助金等情報」から、各自治体のページで確認しましょう。
なお、都の助成額は、国や他の自治体の補助を差し引いた対象経費をもとに計算されます。
太陽光の助成額は太陽光の補助金はいくら?で詳しく解説しています。
SANZENでは、都と自治体の対象額を、見積り時に内訳で表示しています。
補助金を受ける条件と申請の流れ【5ステップ】
助成を受けるための主な条件
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 太陽光または再エネ電気 | 要件を満たす太陽光が、すでにあるか同時に設置すること。 太陽光がない場合は、再エネ利用率100%の電力メニューを契約すること |
| 対象機器 | 国の補助事業でSII(環境共創イニシアチブ)に登録された機器。 令和8年10月1日以降の事前申込は、令和8年度の登録製品に限られます |
| 事前申込のタイミング | 原則、売買契約などを結ぶ前に事前申込が必要 |
| 設置場所 | 都内の住宅に新しく設置すること |
| 重複受給の禁止 | 都や公社の、ほかの同じ種類の助成金と重ねて受けないこと |
STEP1:使用量と屋根を確認し、見積りをとる
検針票で使用量を確認し、施工会社に現地調査と見積りを依頼します。
見積書には、機器の型番と容量、助成の対象経費が分かる内訳があるかを確認しましょう。
STEP2:契約前に事前申込をする
ここが一番大切です。事前申込の受付より前に契約した費用は、原則として助成の対象外です。
事前申込は電子申請で、見積書などを添えて行います。
STEP3:契約・設置工事
事前申込の受付後に、契約と工事に進みます。
DR実証に参加する場合は、この段階で東京都が登録した事業者との契約も進めます。
STEP4:交付申請兼実績報告をする
工事が終わったら、交付申請兼実績報告を行います。事前申込の受付から1年以内が期限です。
令和8年度に事前申込をした場合、支払いを証明する「金融機関発行の証明書等」の提出が必須です。
STEP5:審査・助成金の受け取り
審査のあと、助成金が交付されます。助成を受けた蓄電池は、定められた処分制限期間中、原則として無断で処分や撤去はできません。
SANZENでは、事前申込の代行や、制度確認・必要書類・申請タイミングの設計まで対応しています。
※ただし、令和8年10月1日以降の事前申込は、原則、令和8年度のSII登録製品が対象です。一部の既契約案件には例外があります。
蓄電池の容量選びでよくある5つの失敗と対策

よくある質問
Q1. あとから蓄電池を増設できますか?
機種によっては増設できます。都の助成でも、増設は1kWhあたり6万円(上限72万円)の対象です。
ただし、増設できるかは機種ごとに違うため、最初の機種選びの段階で確認しておきましょう。
Q2. 太陽光がなくても助成の対象になりますか?
対象になる場合があります。太陽光がない場合は、再エネ利用率100%の電力メニューを契約することが条件です。
この場合、決められた期間はそのメニューの契約を続ける必要があります。
Q3. 電気自動車(EV)がある場合はどう考えればいいですか?
EVの大きな電池を家で使う「V2H」という方法もあります。
東京都には、令和8年度の「戸建住宅におけるV2H普及促進事業」もあります。
EVの使い方とあわせて、蓄電池とどちらが合うかを比べるのがおすすめです。
Q4. 蓄電池は何年くらい使えますか?
使える年数や保証の期間は、メーカーや機種によって違います。
見積り時に、保証の年数と、保証される容量の条件を確認しましょう。
なお、都の助成を受けるには、メーカー保証の期間中であることが条件です。
Q5. 区の補助金と東京都の助成は両方使えますか?
区市町村によっては、都の助成と併用できる場合があります。
ただし、条件や受付状況は自治体ごとに違います。
都の助成額は、区市町村の補助を差し引いた対象経費をもとに計算されます。
Q6. 補助金に税金はかかりますか?
税金の扱いは、ご家庭の状況によって変わります。
確定申告の要否などは、税務署や税理士に確認してください。
まとめ
- 容量は「夜に使う電気」と「太陽光の余り」の小さいほうに合わせるのが基本です。
- 東京都の助成は1kWhあたり10万円・上限120万円(DR実証不参加の場合)。
- 12kWhまでは容量に比例します。
- 令和8年10月1日以降の事前申込は、令和8年度のSII登録製品が対象です。
- 契約前の事前申込も忘れずに。
- 令和8年10月1日以降の事前申込は、原則、令和8年度のSII登録製品が対象です。
- 一部の既契約案件には例外があります。
どの容量が合うかは、家族構成・生活時間・屋根の条件で変わります。
迷ったら、検針票を手元に置いて、まずは無料診断で試算してみてください。
会社概要(株式会社SANZEN)
| 会社名 | 株式会社SANZEN |
| 所在地 | 本社:東京都新宿区西新宿7-4-3 7F(広島営業所・福島営業所あり) |
| 代表者 | 代表取締役 渡邉 勇太 |
| 設立 | 2023年7月14日 |
| 事業内容 | 太陽光発電システム、蓄電池、V2H、オール電化、住宅塗装 |
| 施工実績 | 年間1,000件超、累計3,000件超 |
| 電話 | 0120-874-127(土日祝を含む 9:00〜18:00) |
