売電

【2026年】卒FIT後どうする?売電・自家消費・蓄電池の選び方

太陽光の買取期間10年が終わる「卒FIT」。何もしないと売電はどうなる?売電先の切り替え、自家消費、蓄電池のどれを選ぶべきかを、東京都の令和8年度蓄電池助成(1kWhあたり10万円)とあわせて施工会社が解説します。

監修:SANZEN 編集部

【結論】卒FIT後は「比べて選ぶ」がカギ

  • 卒FIT後も発電は続きます。ただし売電の契約がないと、余った電気が無償で引き取られる場合があります。
  • 選択肢は大きく「売電先を選ぶ」か「蓄電池などで自家消費する」かの2つ。
    • どちらが得かは家庭ごとに違います。
  • 東京都では、蓄電池に1kWhあたり10万円(上限あり)の助成があります。
    • 契約前の事前申込が必要です。

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卒FITとは?10年の買取が終わると何が変わる?

FIT(固定価格買取制度)のしくみ

FIT(固定価格買取制度)とは、太陽光で発電して余った電気を、国が決めた価格で電力会社が買い取る仕組みです。

家庭用の太陽光(10kW未満)の場合、買取期間は10年間と決まっています。
kW(キロワット)は、パネルが一度に発電できる力の大きさのことです。

2019年11月から順次「卒業」が始まっている

2009年11月に始まった余剰電力の買取制度の利用者から、2019年11月以降、順番に10年の期間が終わっています。これを「卒FIT」と呼びます。

資源エネルギー庁は、2023年までに約165万件が卒FITを迎えると見込んでいました。
その後に設置したご家庭も、10年が経つと順に卒FITを迎えます。

満了の時期は「通知」と「検針票」で確認

満了の時期は、売電の契約書や案内書、検針票に書かれた買取開始時期から分かります。
満了のおよそ6〜4か月前(事業者によっては3か月前)には、買い取っている電力会社から通知が届く予定とされています。
※満了の6~4ヶ月前の案内時期は契約先ごとに異なります

何もしないとどうなる?

売電契約が自動で続く場合は、新しい単価で買取が続きます。
たとえば東京電力エナジーパートナーに売電していた家庭は、手続きなしで同社の「再エネ買取標準プラン」に移ります。

一方、どの電力会社とも売電契約がない場合、余った電気は送配電事業者に無償で引き取られることがあります。
国はこれを「一時的・例外的な受け皿」と位置づけています。

SANZENでは、制度の確認から必要書類、申請のタイミングまでご案内しています。

卒FITで売電収入はどれくらい変わる?

2016年度に始めた家庭は、2026年度から卒FIT

買取期間は10年なので、2016年度(平成28年度)にFITの買取を始めた家庭は、2026年度中から順に卒FITを迎えます。

東京都など東京電力管内では、2016年度の家庭用太陽光のFIT買取価格は1kWhあたり31円でした。
これは国が定めた価格で、東京電力もFIT期間中はこの価格で買い取ります。

単価は約4分の1に

時期売電単価(1kWhあたり)出典
FIT期間中(2016年度の価格)31円資源エネルギー庁 買取価格
卒FIT後(東京電力EP 標準プラン)8.50円(税込)東京電力EP 公式ページ

同じ量を売っても、収入は約27%になります。
たとえば年間2,000kWhを売っていた家庭なら、単純計算で約6.2万円が約1.7万円になる計算です。

※売電量はご家庭の設置容量や使い方で大きく変わります。上の数字は単価の差を示すための目安です。

「売る」より「使う」という考え方

卒FIT後は売る単価が大きく下がるため、「余った電気を安く売るより、自分で使って買う電気を減らす」という考え方が選択肢に入ってきます。

とはいえ、蓄電池には初期費用がかかります。
売電を続ける場合と比べて、費用と効果を確かめてから決めることが大切です。

SANZENでは、売電を続けた場合と蓄電池を付けた場合を比べてご説明しています。

卒FIT後の3つの選択肢を比較

資源エネルギー庁が示している選択肢をもとに整理すると、次の3つです。

①今の電力会社で売電を続ける

手続きが最も少ない方法です。東京電力エナジーパートナーの「再エネ買取標準プラン」は、買取単価が1kWhあたり8.50円(税込)です(2026年10月時点の同社公式ページ)。単価は今後見直される場合があります。

②別の会社に売電先を切り替える

卒FIT後の電気を買い取る会社は複数あり、単価やメニューは事業者ごとに違います。
電気の購入契約とのセットが条件になっている場合もあるため、条件まで比べることが大切です。

③蓄電池・電気自動車(EV)で自家消費する

昼に発電した電気を蓄電池にためて、夜に使う方法です。
電気を「売る」代わりに「買う量を減らす」考え方です。停電時の備えになる点も特徴です。

ただし資源エネルギー庁は、「蓄電池を付けないと損」とは限らないと注意を呼びかけています。

【セルフチェック】売電と自家消費、あなたの家はどっち向き?

判断のものさしは「売る単価」と「買う単価」の差

たとえば、120〜300kWhの料金帯(36.45円)で比べると、差は1kWhあたり約28円です。仮に年間1,000kWh分を「売る」から「自分で使う」に回せたとすると、単純計算で約2.8万円の差になります。

※この試算は、充放電のロス、燃料費調整額、再エネ賦課金、契約プランの違いを考慮していない目安です。
実際の効果はご家庭の使い方で変わります。

30秒チェックリスト

当てはまる項目が多いほど、自家消費(蓄電池)を検討する価値があります。

  • 日中は家を空けることが多く、昼の電気が余りがち
  • 夕方〜夜の電気使用量が多い
  • 毎月の電気代が上がって負担に感じている
  • 停電や災害への備えを強化したい
  • 今後も長く今の家に住む予定

逆に、日中の在宅時間が長く発電した電気をすでに多く使えている家庭や、近いうちに住み替える予定の家庭は、売電先の見直しから始めるのも一つの方法です。

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売電先を選ぶときの4つのポイント

1. 買取単価と契約期間

単価だけでなく、その単価がいつまで続くかを確認しましょう。

東京電力EPの標準プランは、年度末までの契約で、以降1年ごとの自動更新です。

2. セット条件の有無

「電気の購入契約も切り替えること」などが条件の場合があります。

買う電気の単価が上がれば、売電で得た分が相殺されることもあります。

3. 解約時の違約金

国は大手電力会社に対し、卒FIT後の最初の契約では違約金など解約を制限する条項を設けないよう要請しています。

ただし蓄電池の設置など大きな設備投資を伴うメニューは対象外です。契約前に解約条件を必ず確認しましょう。

4. 手続きは早めに

切り替えの手続きには時間がかかります。資源エネルギー庁も、早めの申込みを勧めています。

通知が届いたら、満了日までに比較を済ませるのが安心です。

売電先の比較だけなら、ご自身でも十分に進められます。

蓄電池で自家消費する場合の東京都の助成【令和8年度】

東京都(クール・ネット東京)は、太陽光の電気の自家消費を増やすことなどを目的に、「家庭における蓄電池導入促進事業」で蓄電池の設置費用を助成しています。

助成額は1kWhあたり10万円

区分助成単価上限(DR実証に参加しない場合)
蓄電池パッケージ1kWhあたり10万円1戸あたり120万円
蓄電池ユニット増設1kWhあたり6万円1戸あたり72万円

いずれも、他の補助金を差し引いた税抜の助成対象経費が上限です。

kWh(キロワットアワー)は、蓄電池にためられる電気の量のことです。

DR実証に参加すると上乗せあり

DR(デマンドレスポンス)とは、電力が足りないときなどに、蓄電池の充放電を調整して協力する取り組みです。
都のDR実証に参加すると、10万円が加算されます。

EMS・IoT機器を設置する場合は、1台あたり5万円がさらに加算されます。

上乗せを受けるには、交付申請(兼 実績報告)の前にDR実証の契約を結ぶ必要があります。

ここだけは覚えて:契約前に「事前申込」

都の交付要綱では、蓄電池の売買契約(またはリース等の契約)を結ぶ前に事前申込をすることが求められています。

順番を間違えると助成を受けられないおそれがあります。

また、令和8年10月1日以降の事前申込では、原則として国のSII(環境共創イニシアチブ)の令和8年度登録製品のみが対象になります。

国の補助と区市町村の補助

国の家庭用蓄電池の補助(SIIのDR家庭用蓄電池事業・令和7年度補正)は、2026年5月29日に予算に達して公募が終了しています。今年度は、都の助成が主な支援策になります。

区市町村によっては独自の補助がある場合があります。区の補助を受けた場合、都の助成額は対象経費から他の補助額を差し引いて計算されます。受付状況は区ごとに違うため、お住まいの区市町村に確認しましょう。

太陽光の補助制度全体については、太陽光の補助金はいくら?で詳しく解説しています。

SANZENでは、都と区の対象額を見積り時に内訳で表示しています。

卒FIT後に蓄電池を付けるまでの流れ【5ステップ】

SANZENでは、事前申請の代行と申請タイミングの設計まで対応しています。

自分でやる?業者に頼む?

売電先の切り替えは、電力会社への申込が中心なので、ご自身でも進めやすい手続きです。
一方、蓄電池の設置は、機器選び・工事・助成の申請が重なるため、業者と進めるのが一般的です。

やること自分で業者に頼む場合のポイント
売電先の比較・切り替え進めやすいセット条件の読み違いに注意
蓄電池の容量選び判断が難しい電気の使い方を聞いて提案してくれるか
都の助成の事前申込・交付申請書類が多い申請代行に対応しているか、契約前に申込むか
設置後の点検難しい点検や相談の窓口が続くか

業者を選ぶときは、助成の事前申込を契約前に行う段取りになっているか、見積りに助成額の内訳が書かれているかを確認しましょう。設置費用の目安は太陽光発電の設置費用はいくら?でも解説しています。

SANZENでは、自社スタッフが継続して対応し、毎年1回の無料点検を行っています。

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卒FITでよくある5つの失敗と対策

よくある失敗対策
「0円になるから蓄電池が絶対お得」と言われ、すぐ契約した0円引取は例外的なケース。売電先の選択肢も含めて比べる
事前申込の前に蓄電池を契約してしまった都の助成は契約前の事前申込が原則。契約の順番を確認する
通知を見逃し、売電契約がないまま満了した満了時期を確認し、早めに契約先を決めておく
買取単価だけで売電先を決めたセット条件、契約期間、解約条件まで比べる
必要以上に大きい容量を選んだ夜の使用量や家族構成に合わせて容量を決める

訪問販売などで契約した場合、クーリング・オフで解除できる場合があります。
困ったときは消費者ホットライン「188」に相談できます。

よくある質問

Q1. 卒FIT後もパネルは使えますか?

はい。買取期間が終わっても、パネルは発電を続けます。変わるのは売電の単価や契約です。

Q2. 満了日を知るにはどうすればいいですか?

売電の契約書・案内書・検針票で買取開始時期を確認すると分かります。

満了の数か月前には、電力会社から通知が届く予定です。

Q3. 何もしないと損をしますか?

売電契約が自動で続く場合は、新しい単価で買取が続きます。

どこの会社とも契約がない場合は無償引取になるため、契約状況だけは確認しておきましょう。

Q4. 蓄電池は必ず得になりますか?

必ずではありません。

資源エネルギー庁も、売電と自家消費のどちらが得かは、電気料金・蓄電池価格・買取メニューによって異なるとしています。

Q5. パネルを新しくすれば、もう一度FITを使えますか?

同じ場所で設備を更新しても、FITの支援を再び受けることはできません。

Q6. 都の助成と区の補助は一緒に使えますか?

区によっては併用できる場合があります。都の助成額は、他の補助額を差し引いた経費をもとに計算されます。

条件は区ごとに違うため、区の窓口で確認してください。

まとめ

  • 卒FIT後も発電は続く。まず満了時期と今の売電契約を確認する
  • 売電先の比較と蓄電池での自家消費を、「売る単価と買う単価の差」で比べて選ぶ
  • 東京都の蓄電池助成は1kWhあたり10万円(上限あり)。契約前の事前申込を忘れずに

太陽光の良い点と注意点は、太陽光発電のメリット・デメリットでも解説しています。

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会社概要

会社名株式会社SANZEN
所在地東京都新宿区西新宿7-4-3 7F
代表者代表取締役 渡邉 勇太
設立2023年7月14日
事業内容太陽光発電システム、蓄電池、V2H、オール電化、住宅塗装
電話0120-874-127(土日祝を含む 9:00〜18:00)

参考資料・出典

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